シリアの病院空爆の瞬間、防犯カメラの映像公開
(CNN) シリア北部アレッポにある小児病院が空爆されて職員や患者など50人が死亡した問題で、防犯カメラがとらえた爆発の前後の映像を、英テレビ局のチャンネル4が入手した。
アレッポの反体制派制圧地域にあるアルクッズ野戦病院が空爆されたのは4月27日夜。その直前に付近で別の爆弾が爆発し、病院職員は負傷者の搬入を見越して階下に駆け下りていた。
映像に映っているモハメド・マーズ医師(36)は、報道によればアレッポに残った最後の小児科医。集中治療室を出て廊下を歩き、カメラから姿が消えた。
その直後、病院が空爆される。直後の映像には、破壊された病院の建物から避難する生存者の姿。看護師は乳児を産科病棟から助け出し、民間人が応急手当てを手伝っている。
マーズ医師の姿はなかった。国境なき医師団によると、同医師は、今回の空爆の犠牲になった患者や職員など少なくとも50人の1人だった。
マーズ医師はこの日、別の病院で日勤を終え、アルクッズ病院で夜勤に入っていた。数日後には、トルコに逃れた両親に会いに行く予定だった。
チャンネル4によれば、アルクッズ病院に対する空爆以降も、アレッポにある2つの病院を含む医療施設3カ所が爆撃された。国連によると、アレッポはここ数日の戦闘激化により「壊滅的」状況に陥っている。
アフガニスタン北部クンドゥズで昨年、米軍の空爆が国境なき医師団の病院を直撃して42人が死亡した事件では、米国防総省が先月、戦争犯罪には当たらないとする見解を示していた。