バングラデシュ、非合法政党指導者の死刑執行
(CNN) バングラデシュ独立当時に知識人らの大量虐殺を主導したとして死刑を言い渡された非合法化政党「イスラム協会(JI)」のラフマン・ニザミ元党首(73)の刑が、10日に執行された。
バングラデシュの国営通信が伝えたところによると、最高裁判所が上訴を棄却したことを受け、首都ダッカの中央刑務所で絞首刑が執行された。
ニザミ元党首は戦争犯罪で2014年に死刑判決を受けていた。
1971年のバングラデシュ独立に先立ち9カ月間続いた戦闘では、100万~300万人が死亡したと推定される。JIは独立に強く抵抗し、独立直後に非合法化された。その後数年間政界に復帰したものの、13年に再び違法と宣言されている。
ダッカ市民らはニザミ元党首の処刑を歓迎し、刑務所の前では群衆が靴で元党首のポスターをたたくなどして喜び合った。しかし裁判の公正さを疑問視する声も上がっている。
国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)」によると、元党首は証人をわずか4人までに制限され、検察側からつじつまの合わない証言があっても反論の機会を与えられなかった。
HRWはまた、判事や検事らが裁判の内容を公の場で話し合ったことも違法行為に当たると指摘した。
アダムス・アジア局長は「HRWはいかなる状況下でも死刑に反対する」「裁判の公正さに疑問がある場合は特に問題だ」と主張。こうした重大犯罪では当局が死刑執行を急ぐより、犠牲者らに真相を正確に伝えるよう力を尽くすべきだと強調した。