東南アジア襲う記録的熱波、水不足の被害深刻に
(CNN) 東南アジア各地が記録的な熱波と水不足に見舞われ、農作物や動物への被害が深刻化している。
気象サービスのウェザー・アンダーグラウンドによると、タイ、ラオス、カンボジアは観測史上最高の44.6度を記録した。シンガポールも異常な暑さを観測し、マレーシアでは湖が干上がって野菜の生産が落ち込んでいる。
カンボジアでは水不足が深刻化して学校のトイレ用の水が確保しにくくなった。暑すぎて子どもが登校できず、欠席率が30~40%に達した学校もある。電力不足で扇風機も設置できないと教員は嘆く。
コンポンチュナン州の学校では水質の悪化による下痢や発熱などの症状も懸念される。政府は授業時間の短縮で対応しているが、水を買うための予算が足りないと教員は訴える。
東南アジア最長の川、メコン川は水位が低下し、ベトナム政府の報告によれば1926年以来の低さになった。水位の低下が原因で南シナ海の海水が内陸部に浸食し、土壌が塩化して農作物に大きな被害が出ているという。
世界最大級のコメの生産国であるタイも、熱波や例年の半分に満たなかった昨年の降雨量が原因で不作が予想される。
ベトナムやタイのコメ生産が減れば、輸入に頼るフィリピンやインドネシアで供給が不足して価格が高騰しかねない。