ブラジル、弾劾裁判開始へ ルセフ氏「クーデター」と反発
(CNN) ブラジル上院で12日に行われた採決で、ルセフ大統領に対する弾劾(だんがい)裁判の開始が決まった。裁判中は大統領の職務が停止される。ルセフ氏は「これはクーデターだ」と強く反発、政治生命をかけ徹底抗戦の構えを見せている。
上院は約20時間の審議を経て12日早朝に採決を行った。議員81人のうち、ルセフ大統領に対する弾劾裁判の開始に賛成したのは55人、反対は22人だった。
それから1時間もたたないうちにルセフ氏は首都ブラジリアの大統領宮殿内で記者会見して採決を批判。宮殿から締め出された後、支持者を前に行った演説では「私は重大な不正の犠牲になった」と訴えて声援を浴び、支持者と握手やハグを交わした。
ルセフ氏は一貫して、弾劾手続きは裏切りであり不当だと訴えてきた。「私の政権は止むことのない妨害工作の標的にされてきた」「その目的は、私の統治をやめさせてクーデターにつながる環境を許すことにあった」と主張。「私は過ちを犯したが、犯罪は犯していない。私に対する判断は不当だ」と強調している。
大統領代行にはテメル副大統領が就任。同氏は12日、就任式の写真を自身のツイッターアカウントに投稿した。
テレビ演説を行ったテメル大統領代行は、「ブラジルに対する国内外の信頼を救うために必要な措置と確信している」と力説。ブラジルが前進するためには団結が必要だと呼びかけ、「私たちにはあまり時間がない。この国が必要とする改革を推進できるよう努力しなければならない」と呼びかけた。
この演説の間も、大統領宮殿前にはルセフ氏の支持者が集まり、宮殿に押し入ろうとして警官隊に阻止された。警察は催涙弾を使ってデモ隊を解散させた。