ブラジル、弾劾裁判開始へ ルセフ氏「クーデター」と反発
ルセフ氏は同国初の女性大統領だった。弾劾に対しては抗戦を続けると表明して支持者に応援を求め、「運命は私に多くの困難を与えた。中には克服不可能と思えたものもあった。私は拷問に苦しみ、病に苦しみ、今度は不正の痛みに苦しんでいる」「私は政治的茶番の被害者だ。だがあきらめない。振り返れば私たちはあらゆる実績をあげてきた。今後もまだやらなければならないことがある」と支持者に語りかけた。
法律の規定により、ルセフ氏は大統領の肩書きを維持したまま最大で180日職務を停止される。上院の特別委員会がルセフ氏に対する不正疑惑について調査する予定で、この調査は長ければ11月までかかる可能性もある。続いてルセフ氏側に20日間の反論の機会が与えられ、委員会の投票を経て、上院で採決が行われる。上院で3分の2以上が賛成すれば、大統領は解任される。
だが同国の政情は不安定さを増しており、今後どう展開するかは見通せない。ルセフ氏の支持者も抗議デモ展開の構えを見せるなど、今後も混乱は続く見通しだ。
リオデジャネイロ・オリンピックの開幕は8月に迫っている。国際オリンピック委員会(IOC)は12日に発表した談話で、夏季五輪成功への確信は変わらないと述べ、「ブラジルでのオリンピックは強く支持されている。新政府と連携してこの夏のリオ大会を成功させたい」と表明した。