落雷で4日間に65人死亡、例年上回る被害 バングラデシュ
(CNN) バングラデシュ各地で例年以上に落雷の被害が相次ぎ、15日までの4日間だけで65人が死亡した。災害対策当局が16日に明らかにした。
当局者によると、落雷はほとんどが同国北部や中部で発生し、主に農作業や建設作業をしていた人が犠牲になった。特に12日の落雷では34人が死亡。翌13日には21人、14日に7人、15日には3人が死亡した。
バングラデシュではモンスーンの季節に入る前の3月から6月にかけ、強い寒冷前線がヒマラヤ山脈から南東部に張り出してベンガル湾の温かい湿った空気とぶつかり、暴風雨や落雷が頻発する。
森林伐採のために影響はさらに深刻化。特に樹木の少ない農地で作業している人は落雷の被害に遭いやすい。
災害対策当局によれば、今年は例年以上に落雷による死者が多いという。昨年の死者は1年間で274人だった。
バングラデシュ政府は死者が増えている原因を調べるとともに、落雷被害を防ぐための啓発キャンペーンを展開している。犠牲者の遺族には2万バングラデシュ・タカ(約2万7000円)、負傷者には1万タカ(約1万4000円)の補償金を支払う。
米国で今年に入って落雷により死亡した人は5人にとどまる。落雷に遭っても約90%は命を取り留めるが、多くは重傷を負う。人が一生涯で雷に打たれる確率はおよそ1万2000分の1。