ベトナム漁師が語る、中国船による漁船襲撃の実態 南シナ海
CNNが当局を通さずにライソン島の漁師に直接取材することは認められなかった。だがベトナム政府は中国による侵害の実例として、ライソン島の漁師の話を積極的に広めている。失った漁業器材の買い替え費用は当局が負担し、医療費にも補助が出る。
ライソン漁業組合によれば、ベトナムの一般市民も島がベトナムのものだと信じて漁師を支援するために寄付をしているという。
中国の領有権主張で周辺国が脅かされる中、米国にとってはベトナムのような国と関係を強化できる新たな機会が開ける。
オバマ大統領のアジア歴訪を前に、米国務省のダニエル・ラッセル次官補(東アジア・太平洋担当)はベトナムについて、「海洋法および海洋における法の支配を守り、南シナ海の緊張や争いを平和的に解決するためのパートナー」と形容した。
オバマ政権は平和的な解決を支持すると繰り返し表明し、いずれの国による埋め立てや軍事化も中止するよう促してきた。
米国はさらに、米海軍艦が南シナ海を巡航する「航行の自由」作戦も展開している。これに対して中国は強く反発。一方でベトナム外務省報道官は今年1月、「無害な領海通過の権利を尊重する」と表明した。