米ロ軍艦、地中海で異常接近 互いに非難
(CNN) 米当局者は29日までに、地中海東部でロシアの軍艦が米海軍艦の300メートル近くまで異常接近したと述べ、危険な行動だったとして非難した。これに対してロシア国防省は、危険な航行をしたのは米軍の方だったと発表している。
米当局者によると、海軍艦の「USSグレイブリー」は17日、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」掃討作戦の一環として、空母「ハリー・S・トルーマン」を護衛して地中海を航行中に、ロシアのネウストラシムイ級フリゲート艦に接近された。
ロシアの軍艦はグレイブリーの後方を何度も通過し、1度はトルーマンに艦首を向けたと米当局者は説明。グレイブリーが速度を上げると、ロシア軍艦はしばらく追跡してきた後に離れて行ったとしている。
米国防当局者によると、ロシア軍艦はグレイブリーに対して無線で何度も安全な距離を保つよう通告しておきながら、グレイブリーへの接近を続けた。この状況は1時間以上続いたという。米政府は、危険な行為だったとしてロシア政府に抗議した。
一方、ロシアのRT通信は、ロシア軍艦と米軍艦が接近する映像の一部を掲載した。これに対して米国防総省は、この映像にはロシアの行動が映っておらず、米軍側に過ちがあるように見えるのは不適切であり誤りだと主張している。
米国防総省当局者は、ロシアのメディアがこの問題を報じるまでは、詳しい状況を把握していなかったという。
米ロの間では今年4月にも、ロシアのジェット機と米空軍機や海軍艦との異常接近が繰り返されていた。