韓国配備のTHAAD、ミサイル迎撃の仕組みとは
香港(CNN) 韓国国防省がこのほど同国南部への配備を発表した米軍の高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)。北朝鮮からの弾道ミサイル攻撃に備えて導入する新技術だが、具体的にどのような機能によってミサイル防衛を可能にするのか。その仕組みを探った。
機材を納入している米軍需大手ロッキード・マーチンによれば、THAADはインターセプターと呼ばれる発射体と発射台、レーダー、発射制御ユニットなどから構成されている。
まずレーダーが飛んでくるミサイルを検知し、システム要員が脅威となることを確認したら、トラックに載せられた発射台からミサイルに向けてインターセプターが発射される。高速で飛ぶインターセプターは運動エネルギーによって相手のミサイルを破壊する役割を担う。
香港大学の軍事政策の専門家、イボンヌ・チウ氏によれば、インターセプターに弾頭はついておらず、衝突することでミサイルを破壊することから、THAADは「特に核ミサイル相手では安全性が高いとみられる」という。
「核弾道ミサイルを弾頭のないミサイルで撃てば、核爆発を起こさないことが期待できる」とチウ氏は言う。
THAADの配備について、米国は在韓米軍と韓国を北朝鮮から守ることが目的だとの立場を崩していない。しかし中国やロシアは以前から配備を警戒する声を上げていた。
中国の王毅(ワンイー)外相は2月、米シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」主催のイベントで、THAAD配備は「中国の正当な国家安保上の権益」を脅かすと発言した。
THAADは数年前からグアムやハワイの米軍施設を守るために配備されている。