米韓、高高度迎撃ミサイル配備を決定 中ロは反発
(CNN) 米国と韓国の当局者は9日までに、高高度迎撃ミサイルシステム「THAAD(サード)」を韓国内に配備することで合意したと発表した。北朝鮮によるミサイル発射実験などが国連決議に違反する形で続いていることを受けた措置。
THAADの配備をめぐっては米韓両政府の間で数カ月にわたり協議が続いていた。配備場所の選定作業が最終段階まで進んでいるとしている。
米韓の当局者が出席した共同記者会見で発表された。韓国国防省の柳済昇(リュジェスン)国防政策室長はこの中で、THAADの配備について、北朝鮮の大量破壊兵器や弾道ミサイルの脅威から同盟国の軍を守るための「防衛的な措置」だと強調。北朝鮮の核やミサイルの脅威だけを念頭に置いたものであり、いかなる第三国にも向けられることはないとの見通しを示した。
中国外務省はこれに対し声明で、「THAADの配備は朝鮮半島の非核化の実現や、同半島の平和と安定を維持するうえで助けにならない」として反発。そのうえで配備のプロセスを中止し、中国の戦略・安全保障上の利益を損ないかねない行動を慎むよう米韓に促した。
またインタファクス通信によると、ロシア外務省は、THAAD配備の動きが「世界の戦略的安定に悪影響を与える」可能性があると述べた。