イスラム教徒の女性水着を禁止、テロ対策で 南仏カンヌ
カンヌ市はブルキニ禁止の新条例の発表で、宗教への信仰をこれ見よがしな方法で明示する水着は公共秩序を乱しかねない可能性があるとの見解を発表。フランスと宗教関連の施設は現在、テロの標的になっているとの認識を示した。
これに対しカンヌ地域の人権擁護団体の幹部はブルキニ禁止の施策を批判し、逆に地域社会での緊張を高めると主張。また、仏南部のイスラム教団体組織の報道担当者は宗教色が色濃い水着の公然とした禁止はブルキニだけへの影響にとどまらないと指摘。ベールを被った女性やユダヤ教の民族衣装の1種であるキッパーの着用者らは海岸にいる権利を奪われたとも述べた。
フランスは2011年4月、イスラム教徒の女性の着衣「ブルカ」と「ニカブ」の公の場での着用を禁止する最初の欧州国家となっていた。ブルカは目の部分に網状の布をつけて全身を覆い隠す服装で、ニカブは目の周囲だけを外に出すベールとなっている。違反者には罰金150ユーロもしくは公共への奉仕活動の従事を命令していた。