イエメン軍施設に自爆テロ、100人超死傷 ISISが声明
イエメン・サヌア(CNN) イエメン南部アデンにある政府軍の訓練施設で29日、車両を使った自爆テロがあり、地元当局によると少なくとも71人が死亡、33人が負傷した。過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」がメディア部門のアマク通信を通して犯行声明を出した。
アデン治安当局の高官2人が語ったところによると、軍施設の中で同日午前8時15分ごろ、車爆弾が爆発。サウジアラビア国境での戦闘に参加しようと登録の順番を待っていた新兵らの列を直撃した。
アデンは、米国やサウジが支持するハディ暫定政権の本拠地となっている。本来の首都サヌアは、イランやサレハ前大統領派と連携する反政府武装組織「フーシ」の支配下にある。
フーシが昨年初め、ハディ暫定大統領をサヌアから追放したのに対し、サウジ主導の連合軍は同3月から軍事作戦を展開してきた。今年4月に停戦が発効したものの長続きせず、和平協議は行き詰ったままだ。
今月は2つの学校がサウジ主導の連合軍による空爆を受け、14人の子どもが死亡した。連合軍は学校でなく、武装勢力の訓練施設を狙ったと主張した。
また病院への空爆で14人が死亡したことを受け、国際医療支援団体「国境なき医師団」は同国北部の6病院からスタッフを引き揚げた。
戦闘の激化に乗じて、国際テロ組織アルカイダやISISがイエメン国内での勢力を伸ばしている。