米軍、モスル南郊の空軍基地に到着 奪還作戦近づく
ワシントン(CNN) イラク軍が過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」から同国北部の都市モスルを奪還するのを支援するため、米軍の要員数百人がモスル南郊の空軍基地に到着した。米国防総省の当局者が17日までにCNNに明かした。
モスルの南約64キロに位置するカイヤラ空軍基地は7月、米軍の空爆による支援を受けたイラク軍兵士がISISから奪還していた。同基地に展開する米軍はモスル奪還に向け攻勢に出るイラク軍に対し、主に兵たんなどの支援を行う見通し。米軍の要員は今回の動きにより、戦闘現場やISISの防御線に一段と近い場所で活動することになる。
国防総省のピーター・クック報道官は15日に報道陣との質疑で、モスル攻略に向け助言を行う米軍はリスクが増大するのではないかとの質問に、イラクで活動する米軍が危険にさらされていることはカーター国防長官が明確に指摘してきたと言及。「そこで従軍する全ての要員は危険な状況にいる」と述べた。
カイヤラ空軍基地は米軍や有志連合軍の軍用機の運用を可能にするため、改修工事が行われる見通し。同基地はモスルに近く、戦術上重要な位置を占めている。
モスルはISISが占領するイラク最後の主要都市。複数の米当局者によると、奪還に向けた攻勢は早ければ10月にも始まる見通しだという。次段階の作戦では、モスル南郊の町村の奪還を試みる予定で、イラク治安部隊は先週末、新たな攻勢について住民に警告する内容のパンフレット数千枚をモスル南方に空から投下した。