フィリピン拘置所での生活<1> 麻薬戦争の余波で超過密、4千人がすし詰め
同拘置所に入ってくる収容者の多くはギャング組織とつながりを持ち、「シゲシゲ・スプートニク」は935人、「コマンド」は386人の構成員が収容されている。一方、収容者の約4分の1はどの組織にも属していない。
こうしたギャングは拘置所内で強い影響力を持つ。おのおのが運営するセクションには同じ組織の構成員が自然と集まり、壁に色を塗って縄張りを誇示している。ただ看守によると、組織間の争いは実質的に停止しているという。
同拘置所の幹部であるジョーイ・ドギレス氏によると、収容者の多くは低額の保釈金を払う金銭的な余裕もない。取り締まり強化に向けた収容施設の準備を問われた警察トップは、麻薬の脅威があまりに大きいため施設を拡張している時間は当面なく、後で対応すると語った。
◇
次回「フィリピン拘置所での生活<2> 終わりなき待機の日々、収容者は増加の一途」は9月18日公開