フィリピン拘置所での生活<1> 麻薬戦争の余波で超過密、4千人がすし詰め
フィリピン・マニラ首都圏(CNN) フィリピン首都マニラ近郊のケソン市にある拘置所。延べ床面積は約2800平方メートルとそれほど大きくない建物だが、この中に4000人以上の収容者がすし詰め状態で暮らしている。
看守によれば、拘置所は以前から満員状態だったが、最近になって収容者の数が急増した。批判者らはこの過密状態を、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領が進める麻薬撲滅戦争の結果だと指摘。こうした現状を招くことは予想できたと批判する。
施設内の状況は驚きと言うほかない。利用可能なあらゆる空間に人々が詰め込まれている。このうち60%近くは麻薬関連の犯罪で収容された人々だ。マニラのうだるような暑さの中、座り込むなどしながら日々を過ごしている。
収容者の数は増加の一途をたどっている。今年初めの時点では収監者の数は3600人をわずかに下回る程度だった。ドゥテルテ氏が大統領に就任し、フィリピン国家警察のロナルド・デラロサ長官に麻薬一掃の任務を託してから7週間で、収監者数は4053人に増加した。