ミャンマー西部で衝突多発、少数派ロヒンギャ絡みか
(CNN) ミャンマー西部ラカイン州で治安部隊、警官と武装集団との衝突が今月7日以降に相次ぎ、兵士ら数十人などがこれまで死亡する不穏な情勢となっている。同国の国営メディアが報じた。
ミャンマー政府は刃物、短銃や剣などで武装する集団の背後関係は明らかにしていないが、国連は地元の民族が治安部隊と衝突していると指摘した。ミャンマーは仏教徒が多数派だが、ラカイン州にはイスラム教徒ロヒンギャの住民も多い。
ミャンマー政府はロヒンギャをバングラデシュからの不法移民と位置付け、ロヒンギャの名称自体も認めていない。国籍も与えておらず、差別などを長年続けてきたとされる。安住の地を求めるロヒンギャが海路などでミャンマーを離れ、海上で漂流して救助される問題も近年多発していた。
米イエール法科大学は最近、ロヒンギャに対する虐殺行為が起きたことを示す有力な証拠を入手したとの報告書も発表していた。
ミャンマーの国営紙「ミャンマーの新しい灯」によると、一連の衝突は7日、3カ所の国境検問所が武装集団に襲われ、警官9人が殺害されたのが発端。各種の武器や実弾なども大量に強奪されていた。
11日には同州マウンドー市の村落で戦闘が発生し、兵士4人と武装勢力の戦闘員1人が死亡した。部隊は数百人規模の武装勢力に襲われたという。10日には別の村で「掃討作戦」に従事していたとされる部隊と武装した村民が衝突、銃撃戦で7人が死亡していた。
同州の悪化を受けミャンマー問題の国連事務総長顧問であるビジャイ・ナンビアール氏は声明で、当事者に対し最大限の自制を要求。他の地域住民や宗教グループを狙うような挑発行為に唆されないことを求めた。