戦地アレッポでサッカー親善、政府が反体制派を招待 シリア
(CNN) シリア政府軍が反体制派に対して激しい攻撃を続けるアレッポ東部で、サッカーの親善試合への参加を呼びかけるメールやチラシが政府から住民や反体制派の戦闘員宛てに届けられている。活動家や議員が明らかにした。
試合への参加を呼びかけるチラシは政府が23日に散布した。試合は24日に政府が制圧しているアレッポ西部の競技場で開催。参加する反体制派のメンバーには通行の安全を保証するとしている。
親善試合への招待は「国家の和解に向けた善意の姿勢」を示すものとされ、あらゆる市民の参加を歓迎すると記されている。反体制派の戦闘員がこの招待を受け入れるかどうかは不明。
激しい爆撃が続くアレッポ東部では、これまでに大勢の市民が死亡、ほとんどの病院や学校も機能できなくなった。政府軍が7月に包囲して以来、アレッポ東部には25万人以上が取り残されている。
政権に近い有力実業家の国会議員は親善試合について、「(反体制派による)市民の大規模人質作戦をサッカー外交で終わらせることができるだろうか。そう願っているが、期待はしていない」とツイッターに投稿した。
政府支持者の間では、反体制派が市民を人間の盾として利用していると非難する声もある。一方、国連は政府が反体制派の支配地域を「無差別に」爆撃していると報告した。
競技場のある地域は政府が制圧しているものの、反体制派の砲弾が飛んでくることもある。アレッポ最大の規模を持つ同競技場はかつて、サッカーの国際試合の会場にもなった。