難民が死亡、豪政府の責任問う声 過酷な収容政策の犠牲か
また施設内の医療を担当する業者には21日、スーダン人収容者のグループから、アフメドさんの治療を要請する書類が提出されていた。グループはこの中で、「病状が日に日に悪化しているのに、きょう診察を受けた医師からも悪いところはないと言い渡された」と訴えていた。
一方、豪移民当局の報道官は「アフメドさんが死亡した状況に不審な点はない」としたうえで弔意を表した。遺族とは連絡を取っているが、それ以上のことは検視結果が報告されるまでコメントを控えると述べた。
豪政府は同国への難民を直接受け入れず、本土から離れたマヌス島や島国ナウルに設けた施設にいったん収容する政策を取ってきた。だが施設内の劣悪な環境に対し、難民支援団体などから「人権侵害」と批判する声が上がっている。
政府は今年8月、マヌス島の収容所を閉鎖する方針を明らかにしたが、一方で収容者らを本土には受け入れないとの立場を維持している。同収容所には10月の時点でも、正式に認められた難民を含めて872人が収容されていた。
難民支援団体の活動家らは「また1人、過酷な収容政策の犠牲者が出た」と主張している。