「名誉殺人」で娘を殺害、母に死刑判決 パキスタン
イスラマバード(CNN) パキスタン北東部パンジャブ州で、家族の意思に反する男性と結婚した18歳の娘を殺害したとして「名誉殺人」の罪に問われた母親に死刑判決が言い渡された。
警察の報道官が17日、CNNに語ったところによると、母親は同州ラホールでの裁判で、娘が「親族の名誉を傷つけたので」殺害したと述べた。死亡した女性の兄弟も罪に加担したとして終身刑が言い渡された。
女性は昨年駆け落ちしたが、1カ月後の6月、家族と和解しようとラホール市内の実家を訪れた。警察によると、母親と兄弟は女性をベッドに縛りつけてガソリンをかけ、体に火を付けて殺害した。母親は当局へ出頭したが、反省の言葉はなかったという。
パキスタンでは、女性が家族の意向に沿わない結婚などで「名誉を傷つけた」として殺害される「名誉殺人」が続発。家族からの許しがあれば罪を問われることはなく、人権団体などから批判の声が上がっていた。
しかし昨年10月に発効した「名誉殺人法」により、こうした事件の被告には少なくとも禁錮25年の刑が科されることになった。
パキスタンの独立機関「人権委員会」によると、同国では昨年1~6月に300人近い女性が親族らに殺害されていた。