トランプ氏、英情報機関盗聴の主張を否定せず
ワシントン(CNN) トランプ米大統領は17日、ドイルのメルケル首相との会談後に行われた記者会見で、スパイサー米大統領報道官が前日の記者会見で引用した、英情報機関の政府通信本部(GCHQ)が昨年オバマ前米大統領の要請を受けて自身を盗聴したとの主張について否定を避けた。
この主張は米FOXニュースで法律専門家が述べたもので、スパイサー報道官が16日の記者会見で引用していた。トランプ氏の側近は米独首脳会談に先立ち、スパイサー氏のコメントについて英政府に説明。この主張をめぐる英国の怒りを和らげようと試みていた。
トランプ氏がオバマ氏に盗聴されたと最初にツイッターで主張したのは2週間前。トランプ氏の今回の反応により、この主張をめぐる論争がさらに過熱した形だ。この主張は米連邦議会上下両院の情報委員会に属する主要議員により否定されている。ホワイトハウスはこうした主張を裏付ける証拠を提示していない。
記者会見では、ドイツの記者からFOXニュースの報道について聞かれたトランプ氏が、「オバマ前政権によるものとみられる盗聴について言えば、少なくとも我々には共通点がある。恐らく」と述べ、メルケル氏の方を向く場面もあった。
メルケル氏はオバマ前政権時に、米国家安全保障局(NSA)が自身の電話を盗聴していたことを知り激怒していた。オバマ氏はNSAの元契約社員、エドワード・スノーデン氏によるリークの後、こうした情報収集プログラムを中止していた。
トランプ氏は続けて、「我々は何も言っていない。ただ有能な法律専門家の発言を引用しただけで、発言の責任はその人にある。それについて見解は述べていない」「私ではなくFOXに尋ねるべきだ」と述べた。