シリア軍機の「2割を破壊」 今後の方針で政権内に混乱も
(CNN) 米軍がシリア空軍の基地に巡航ミサイルを撃ち込んだ攻撃について、マティス米国防長官は10日、現役軍用機の約2割を破壊したとする声明を出した。シリアに対する今後の方針をめぐっては、米政権高官らによる一貫性のない発言が混乱を招いている。
マティス長官は7日に実施したシリア中部シュアイラート空軍基地に対する攻撃の成果について、軍用機に燃料や武器を補給する能力を奪ったと強調した。
また、政権軍が北西部イドリブ県で化学兵器を使ったことを受けて、相応の対抗措置となるよう計算した攻撃だったと述べた。「シリア政権にとって、今後また化学兵器を使うのは無謀な行動といえる」との警告も発した。
政権高官によると、トランプ米大統領が攻撃の規模について追加情報を求めたため、マティス長官がこれに答えたという。
米当局は当初、巡航ミサイル59発のうち58発が標的に大きな損害を与え、軍用機20機を破壊したと発表した。これに対してロシア国防省が、命中したミサイルは23発、破壊されたのは6機にすぎないと主張していた。シリア国営メディアと反体制派の双方が伝えたところによると、同基地の運用は週末のうちに再開された。
英国の軍事情報会社IHSジェーンズの推計では、同基地に常駐する軍用機は262機前後とされる。ただし、この数字は最近の戦闘の影響で変化している可能性もある。
トランプ政権が今後、シリアのアサド政権にどう対応していく方針なのかははっきりしない。
スパイサー大統領報道官は10日の記者会見で「乳児を毒ガスで殺傷したり、罪のない人にたる爆弾を落としたりすれば、トランプ大統領が対抗措置を取るだろう。許せないことだ」と語った。