仏大統領選、左派の急先鋒が台風の目に 有力候補脅かす
パリ(CNN) 仏大統領選挙の第1回投票日まであと1週間あまり。ここへ来て急進左派のジャンリュック・メランション候補(65)への支持が伸びている。
5月2日の第2回投票に進むことが有力視されてきたのは極右政党・国民戦線のマリーヌ・ルペン党首と独立系候補のエマニュエル・マクロン前経済相だが、その勢いは弱まってきているようだ。
メランション氏は前回2012年の大統領選にも立候補しており、出馬自体は既定路線だった。だが支持率の動きはそうではない。選挙戦ではルペン候補とマクロン候補、共和党(中道右派)のフランソワ・フィヨン候補の3人が主役となると見られていたため、メランション氏のここまでの善戦を予想した人はほとんどいなかった。
その起爆剤となったのは、テレビ討論会におけるパフォーマンスだろう。機知に富み、くだけた会話のような語り口や、分かりやすい話し方が視聴者に受けた。
メランション氏には「優しいおじさん」といった親しみやすさがある。政治的見解は妥協を許さない左派であり扇動的な政策を掲げるが、一方で現実的でまじめな印象もある。
ソーシャルメディアでも存在感を示し、ユーチューブの公式チャンネルは人気を集めている。
もっとも、メランション氏が上位2人に追いつくのはかなり難しい。
フランス政治の専門家アニェス・ポワリエ氏は「毎度のことだが、躍進する3番手は最初のハードル(投票)を超えられない」と語る。
「(メランション氏が)マクロン氏とフィヨン氏を追い抜くとは思えないが、英国の欧州連合(EU)離脱とトランプ米大統領の当選があったのだから、先のことは分からない」