ウクライナ東部で爆発、国際監視団の米国人メンバー死亡
(CNN) ウクライナ東部のルガンスク州で23日に爆発があり、近くにいた車に乗っていた欧州安全保障協力機構(OSCE)の国際監視団に所属する米国人メンバー1人が死亡した。OSCEによると監視団のメンバーが任務中に死亡するのは初めて。
犠牲者の氏名は公表されていない。爆発は23日午前11時17分に発生し、監視団のメンバー2人も負傷した。調査を進めているOSCEの幹部は、爆発が地雷によるものである可能性が極めて高いとの見解を示した。
監視団が同地に派遣されたのは2014年3月。ウクライナ政府による要請を受け、OSCEに加盟する全57カ国の合意に基づき派遣が決定した。
OSCEによれば当該の任務は非武装の民間活動で、ウクライナ全域を対象に24時間体制で遂行される。ウクライナの現状を公平かつ客観的な視点から監視、報告し、対立する勢力間での対話を促進することが目的だ。
ウクライナ東部では親ロシア派の反政府組織とウクライナ人武装勢力の敵対関係が継続。双方の衝突により、欧州の紛争としては1990年代前半に起きた旧ユーゴスラビアの内戦以来となる死者数を記録している。
OSCEの議長を務めるオーストリアのクルツ外相は国際監視団について「ウクライナ周辺の危機収束に向け、日々素晴らしい役割を果たしてくれている」と評価する一方、「脅迫や通行規制、機材などへの破壊行為によってその活動はしばしば妨害されている。これは到底受け入れられるものではない」と述べた。
ウクライナのポロシェンコ大統領は23日、米国のティラーソン国務長官への電話で、爆発の犠牲となった米国人メンバーに対する弔意を伝えた。