仏大統領選の行方 EU支持のマクロン氏か国内優先のルペン氏か
ロンドン(CNNMoney) フランス大統領選の第1回投票が行われ、中道のマクロン前経済相(39)と右翼・国民戦線(FN)のルペン党首(48)が決選投票へ進む見通しとなった。欧州の今後に大きな影響を与えるとみられる大統領選だが、2人の経済に対する視点は大きく異なっているようだ。
マクロン氏は、投資銀行の出身で経済相も務め、リベラル派とみられている。マクロン氏は、フランスがグローバリゼーションや自由貿易を受け入れることで、フランス経済はより競争力を持つようになるとしている。
ルペン氏は現在の状況からの抜本的な脱却を訴えている。ルペン氏は経済ナショナリズムを掲げ、新たな貿易障壁やユーロ圏からの離脱を示唆している。
ルペン氏によれば、ユーロを離脱し、新通貨フランに移行することで通貨安が輸出産業の競争力を高めることにつながるという。フランスが抱える債務の返済を新通貨で行おうとすれば、デフォルト(債務不履行)とみなされる公算が大きい。
ルペン氏はまた、欧州連合(EU)からの離脱を問う国民投票を実施したいとしている。
ルペン氏は反グローバリゼーションを掲げているが、ルペン氏の政策では、外国人労働者を雇う企業に対する新たな課税や、輸入品に対するさらなる課税の可能性がある。ルペン氏はまた貧困層の税率の引き下げも示唆している。
マクロン氏は法人税を現在の33%から25%へ引き下げることを提案している。マクロン氏は、政府機関の効率化を通じて、公共支出を年間600億ユーロ(約7兆1000億円)削減するとしているほか、公務員12万人の削減も行うとしている。
マクロン氏はまた、週35時間の労働制について変更の検討を示唆している。