トランプ氏、北朝鮮問題で強硬発言 自ら窮地に陥る恐れも

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北朝鮮問題での強硬発言が相次ぐトランプ米大統領

北朝鮮問題での強硬発言が相次ぐトランプ米大統領

(CNN) 米国のトランプ大統領が北朝鮮への強硬姿勢を一段と鮮明にしている。核武装を進める同国の現状は容認できないと強調して同国に対する制裁強化を訴える一方、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長に対しても公然と非難の言葉を口にする。

ただこうした動きは北朝鮮から挑発と受け取られ、かえって事態を悪化させる可能性がある。トランプ大統領の政治的な立場も危うくしかねないとして、専門家が警鐘を鳴らしている。

「我々が話し合いたいと思うかどうかを問わず、これは世界にとって現実の脅威だ」。24日に開かれた国連安全保障理事会理事国大使との昼食会で、トランプ大統領はそう力説。「北朝鮮は大きな世界問題だ。我々は最終的にその問題を解決しなければならない。何十年もの間目をつむってきたが、今こそこの問題を解決すべき時だ」との持論を展開した。

この発言と前後して、米軍は北朝鮮に対して軍事力を見せつける狙いで、原子力潜水艦「ミシガン」を韓国に寄港させた。ホワイトハウスは26日、上院議員を招集し、政権高官が北朝鮮の脅威について説明する。米政府がこうした措置を講じるのは異例。

トランプ大統領はまた、保守系メディアを集めたレセプションの席上、金委員長について、自分で見せたがっているほど強い指導者だとは思わないとの認識を示し、「(金委員長が)自分で言うほど強いとは、私には全く確信が持てない」と発言した。

北朝鮮は25日で朝鮮人民軍の創設から85年を迎え、大規模な実弾砲撃演習を実施していた。

トランプ大統領が繰り出す強硬発言について、評論家からは、北朝鮮を巡って自らを窮地に立たせるものであり、政治的に危険な立場に追い込まれかねないと危惧する声が出ている。

「これまであらゆる圧力や瀬戸際政策、軍事的手段や戦術、駆け引きを展開しておいて、今度は言葉で北朝鮮の指導者を直接的に罵倒するのは、再びスズメバチの巣をつつくようなものだ」。核廃絶を訴える団体「プラウシェアーズ財団」のポール・キャロル氏はそう解説する。

「このような言葉で緊張を高めるだけでなく、同地域に軍装備を送り込んでおいて、北朝鮮が何らかの対話再開を模索するための出口や抜け道がない状態にしてしまえば、悪い事態が起きるだろう」とキャロル氏は言う。

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