韓国、THAADの一部を搬入 住民らの抗議デモも
ソウル(CNN) 韓国国防省は26日、高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)の装備の一部について、韓国南部・慶尚北道(キョンサンプクト)星州(ソンジュ)郡の敷地に搬送したと明らかにした。
国防省は声明で、「韓国と米国は、北朝鮮の核ミサイルの脅威に備えるため、THAADシステムの運用能力を確保すべく作業に当たっている」と述べた。
THAAD配備をめぐっては北朝鮮が反発を示しているほか、自国の安全保障にとって脅威だとして中国も反対している。
星州郡には約4000人の警官が配備された。敷地の近くでは約400人が参加し抗議デモが行われた。装備を搬送する軍用トラックが通過するなか、暴動鎮圧用の装備を身に着けた警官がデモの参加者を制止した。
デモに参加した女性によれば、警官が住民を押しのけたために抗議活動が暴力的になった。6人が負傷したという。
年内にはTHAADが完全な運用能力を備えることを目指しているが、朝鮮半島情勢の緊張が高まるなか、米韓は配備のスピードアップの必要性を公言している。
北朝鮮の朝鮮人民軍は25日、東部の元山(ウォンサン)付近で大規模な砲撃演習を実施した。この日は朝鮮人民軍の創設から85周年の記念日に当たる。
朝鮮半島西岸では、米韓両軍が合同軍事演習を実施。米海軍が派遣した原子力潜水艦「ミシガン」も韓国に到着している。
ホワイトハウスは26日午後、上院議員全員を招集して、北朝鮮問題についての説明を行う。説明会に出席できるのは上院議員のみで、説明はティラーソン国務長官やマティス国防長官、ダンフォード統合参謀本部議長が行う。