麻薬犯罪追った著名報道記者、銃撃され死亡 メキシコ北部
(CNN) メキシコの麻薬問題を取材し、国際的な賞を受賞した経歴も持つメキシコ人ジャーナリスト、ハビエル・バルデス・カルデナス氏が15日、同国北部シナロア州で射殺された。
バルデス氏が創刊した週刊紙、リオドセが伝えた。バルデス氏は麻薬組織の犯罪が横行するシナロア州での取材活動が高く評価され、数冊の著書も出版していた。
メキシコでは今年、すでに4人のジャーナリストが殺害されていた。同州の検事総長はバルデス氏の殺害現場へ出向き、ジャーナリストの警護を強化すると約束した。米非営利団体(NPO)、ジャーナリスト保護委員会(CPJ)によると、同国で1992年以降に殺害された記者らは40人に上る。
ペニャニエト大統領はツイッターを通して弔意を表し、「我が国の民主主義の基盤をなす言論と報道の自由を守る」と改めて表明した。
バルデス氏は犯罪組織の暴力に屈しない報道姿勢で知られ、2011年にはCPJの国際報道自由賞を受賞した。
13年2月にはCNNとのインタビューで、リオドセが同国の「麻薬王」と呼ばれたホアキン・グスマン受刑者(通称エル・チャポ)についての報道を続行していたことに言及。他のメディアが報復を恐れて口を閉ざすなか、「スタッフはおびえながら暮らしているが、報道はやめない」と宣言していた。