ビンラディン容疑者の息子、アルカイダの動画で攻撃呼び掛け
(CNN) 国際テロ組織アルカイダはこのほど、同組織の指導者だったオサマ・ビンラディン容疑者の息子、ハムザ容疑者がテロ攻撃の実行を呼び掛ける宣伝ビデオを制作した。
米民間情報機関、SITEインテリジェンス・グループが約10分間のビデオを入手した。過去に起きたテロ攻撃の映像とともに、ハムザ容疑者を名乗る音声がユダヤ人や米国人、さらにはロシア人への攻撃を指示している。
音声は「銃を取ることができるならそれもよい。できなくても選択肢はたくさんある」と述べ、一匹おおかみ(ローンウルフ)型のテロを促している。
米連邦捜査局(FBI)の元捜査官で現在もアルカイダの動向を追っているアリ・スーファン氏は、ハムザ容疑者がゆくゆくはアルカイダを率い、さらには世界各地の過激派のまとめ役となるべく準備を進めていると指摘する。
同容疑者は現在20代後半とみられるが、幼少期から宣伝ビデオに登場し、父オサマ容疑者の銃を掲げたり詩を暗唱したり、ほかの少年たちと訓練に参加したりする姿が伝えられていた。
「カリスマ性が高く、幼い頃から人前で話す能力にたけていた」と、スーファン氏は語る。本人もアルカイダの新しい顔としての役割に強い意欲を示しているとの見方が強い。
アルカイダは近年、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の影に隠れがちとなっていた印象があるものの、米国の対テロ当局によれば、中東各地の紛争地域などで今も力を維持している。
アルカイダを率いるザワヒリ容疑者とISISトップのバグダディ容疑者が間接的に連絡を取り合っているとの情報もあり、ライバル同士とされてきた両組織が結託する事態も懸念されている。