米軍主導の有志連合、アサド政権派の部隊を空爆 シリア南部
ワシントン(CNN) 内戦中のシリアで過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」と戦う米軍主導の有志連合は18日、アサド政権派の民兵部隊への空爆を行ったと発表した。同部隊が「緩衝地帯のかなり内部まで進行した」ためとしている。
声明によれば、アサド政権派の民兵部隊は「アトタンフにおいて米軍とパートナー諸国の部隊の脅威となった」という。アトタンフはシリア南部、ヨルダンおよびイラクとの国境近くにある基地。有志連合はここで、ISISと戦うシリア反体制派の訓練を行っている。
基地周辺は緩衝地帯となっており、有志連合はロシアとアサド政権側に接近を控えるよう求めていた。
声明はアサド政権派民兵部隊の車列が緩衝地帯に入ったと説明。車列は米軍機による威嚇飛行と威嚇射撃にもかかわらず止まらなかったという。
米国防関係者によれば、空爆は基地に向かって進み続ける車列に向かって行われた。戦車とブルドーザー(もしくは前方に運搬・積載用バケットがついた車両)各1台を破壊したという。
民兵部隊が有志連合軍の基地のすぐ近くまで迫っていたことから、空爆は自衛目的だったと受け止められている。有志連合がアサド政権派を故意に空爆するのは非常にまれだ。
以前からこの地域では、イランの支援を受けたアサド政権派のイスラム教シーア派民兵組織が活動している。
声明によればロシアは、アサド政権派民兵にアトタンフへの進軍を思いとどまらせようとしたとみられるが、説得は「失敗に終わった」という。