「トランプ政権、欧米を弱体化」 独外相が批判
(CNN) ドイツのガブリエル外相は29日、トランプ米政権の政策を「欧州連合(EU)の利益に反する」と批判し、それが欧米の弱体化を招いているとの見方を示した。
首都ベルリンで開かれた移民対策会議の場で語った。
トランプ大統領は先週、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で集団防衛への支持を明言せず、一方で加盟各国に国防費の増額を要求。主要7カ国首脳会議(G7サミット)では、気候変動対策の枠組み「パリ協定」への残留を促す説得に応じなかった。
ガブリエル氏はこうした状況を踏まえ、「米政府の近視眼的な政策はEUの利益に反する。欧米は縮小、あるいは少なくとも弱体化した」と発言。「誰であれ環境保護を弱めて気候変動を加速させ、紛争地域への武器売却を進め、宗教紛争の政治的解決を望まないような人物は、欧州の平和を危険にさらしている」と批判した。
そのうえで、欧州諸国はトランプ政権に立ち向かい、遠慮なく批判の声を上げるべきだと主張。「こうした動きに今すぐ、断固として立ち向かわなくては、欧州への移民流入は拡大の一途をたどるだろう。米国の政策に反対しないことは罪になる」と断言した。
これに先立ちメルケル独首相も28日、同盟国を「完全に」頼れる時代は終わったと述べ、米国への不信感をあらわにしていた。