街にあふれる有害な泡、健康被害の懸念も インド南部
ニューデリー(CNN) ハイテク産業で知られるインド南部バンガロールの街が先週、モンスーンの襲来とともに白い泡に覆われた。泡は下水道や工場から湖に流れ込む汚染物質が原因で発生し、住民らに健康被害をもたらす恐れがあるという。
かつては「湖の街」と呼ばれたバンガロール。その中で2番目に大きいバルサル湖が、泡の発生源だった。泡は刺激臭をともない、強風に飛ばされると防護フェンスさえ越えて街中にあふれ出した。
専門家によると、湖には未処理の下水や産業廃水が流れ込み、下水に含まれる窒素、リンなどが蓄積している。これが雨と強風でかくはんされたことによって泡が発生したとみられる。
泡には有害物質が含まれ、呼吸器や皮膚への影響などが懸念される。同市の地下水も汚染され、発がん性の指摘される物質が高濃度で検出されている。
市内では今年2月、最大の湖、ベランダル湖が突然炎上する騒ぎがあった。湖を覆っていた植物性プランクトンの死がいに火がつき、水に石油性の物質が含まれていたために素早く燃え広がったとみられる。
これを受けてベランダル湖や周辺へのごみ廃棄は禁止された。しかし地元住民らは、環境規制がまだ不十分だと抗議している。