たばこによる死者、世界で年間700万人 WHO報告書
(CNN) 世界保健機関(WHO)は31日、喫煙が環境に与える悪影響に関する報告書を発表した。世界では年に700万人が喫煙が原因で死亡しており、医療費と生産性低下による経済的損失は年に1兆4000億ドル(約155兆円)に達するという。
またタバコは、栽培や製造においては森林伐採や環境汚染の原因になり、大量のごみを地球環境にもたらしてもいる。
例えば栽培地ではタバコ以外の作物は作られないことが多いため、タバコも土壌も病害虫に弱くなっており、栽培には大量の農薬が必要となる。
また専門家によれば「タバコは土壌から大量の栄養素を吸い上げるため、大量の肥料が必要となる。これにより、土質の悪化や砂漠化を招き、生物多様性や野生生物に対してマイナスの影響をもたらしている」という。
タバコの葉の加工には大量の材木が使われている。熟成に使われる材木の量は世界で年に1140万トン。木を燃やして葉の乾燥が行われるケースもある。タバコ300本あたり1本の木を消費している計算だ。
また、吸い殻などのごみの量は毎年3億4000万〜6億8000万キロに達しているという。
WHOの試算によれば、2012年に毎日たばこを吸っていた人の数は約9億6700万人。消費されたたばこは6兆2500億本近くに達するという。
たばこ税の徴収額は世界で年に2700億ドルに達しているが、WHOはたばこ消費を減らすためにさらなる増税や値上げを提案している。例えば1箱あたり80セントの増税を行えば、世界のたばこ税収は現在の2倍になるという。