ロンドン北部地区、800世帯が避難へ 高層住宅火災を受け
ロンドン(CNN) ロンドン西部の高層住宅「グレンフェルタワー」で起きた大規模火災に関連し、同市北部カムデンの地元議会は23日夕、地区内の高層住宅5棟から同日夜に800世帯あまりを避難させる決定を下した。議会トップは「グレンフェルの件で全てが変わっている」と指摘、住民の安全を保証できなかったとしている。
住民は建物の外装材を除去する作業が行われる間、4~6週間にわたり別の場所での生活を余儀なくされる見通し。ホテルや友人、家族の自宅などに一時滞在することになる。
同議会によれば、今回の建物で使われている可燃性の外装材は、少なくとも79人が死亡した14日の火災の現場となったグレンフェル・タワーのものとは大きく異なる。ただ、議会が求めた水準に適合していないという。
英政府は22日、グレンフェル・タワーでの火災を受け、イングランド全域の高層住宅600棟を検査していると明らかにしていた。
一方、ロンドン警視庁は23日、同タワーの火災をめぐり、米家電大手ワールプールの子会社が製造する「ホットポイント」ブランドの冷蔵庫が出火元になったと発表した。ワールプール社はこれを受け、同モデルの冷蔵庫を持つ人に対し同社に連絡するよう呼びかけている。
ワールプール社は声明で、ホットポイントは2006年3月から09年7月にかけて6万4000台が製造されたと言及。当局は、このモデルがリコール(回収・無償修理)の対象になったことは無かったとしている。
英政府は問題の冷蔵庫に対する専門家による即時の調査開始を命じた。ただ、同モデルの冷蔵庫の使用を中止すべき特段の理由は現時点でないとも付け加えた。