香港返還20年、習主席訪問へ 厳戒の市内で大規模デモも
香港(CNN) 中国の習近平(シーチンピン)国家主席が香港返還20周年を記念して、6月29日~7月1日の日程で香港を訪問する。国営新華社通信が伝えた。習主席の香港訪問は就任後初めて。1日には大規模な抗議運動も予想される。
習主席は人民解放軍の駐屯地などを視察し、香港の次期行政長官、林鄭月娥氏の就任式に出席する。返還20年を記念する大規模祝賀行事にも出席予定。
習主席の訪問中、市内は厳戒態勢が敷かれる見通しで、抗議デモ参加者が習主席に近付けないよう、一部地区は封鎖される。
香港警察は数カ月前から、隣接する広東省の警察と合同訓練を実施していた。地元紙の報道によると、一線に配備される警官は、天安門事件や「真の普通選挙」といったデリケートな問題に言及した内容が習主席の目に触れる事態を阻止するよう指示されているという。
中国政府のナンバー3、張徳江氏が昨年香港を訪問した際には、警察が歩道に張り付き、巨大な障壁を設置して一般人の接近を阻んだ。
民主化運動の指導者が結成した政党「香港衆志」の広報によると、今回は張氏の訪問時を上回る厳戒態勢が予想される。
20周年の記念式典が行われる7月1日は、伝統的に抗議の日でもあり、市民数千人の人出が予想される。しかし、これまで毎年民主化運動の会場となってきた市中心部のビクトリア公園では、今年は中国寄りの組織が記念式典を行う。
デモ行進は実行される予定だが、活動家の1人は「中国政府が香港で我々を締め出そうとしている。我々の自由と民主主義が脅かされている」と危機感を示した。