ブラジル検察、テメル大統領を収賄罪で起訴
(CNN) ブラジルの検察当局は28日までに、ミシェル・テメル大統領が食品加工業者から賄賂を受け取ったとして、受動収賄の罪で大統領を起訴した。国営ブラジル通信が伝えた。
この問題では、テメル大統領と食品加工会社JBSのバティスタ社長との会話を密かに録音したとする内容が先に公開されていた。この中でバティスタ社長は、賄賂受け渡しのことを口にしていた。
テメル大統領は、この録音内容は改ざんされたものだと主張している。
起訴状によると、テメル大統領は元議員を通じてバティスタ社長から、ブリーフケースに入った現金15万2000ドル(約1700万円)を受け取ったとされる。受動収賄罪は、仲介人を通じて賄賂を受け取った場合に適用される。
テメル大統領を刑事裁判にかけるためには、下院の3分の2以上が賛成する必要がある。342人が賛成すれば最高裁判所で公判が行われ、大統領は180日間の停職となる。
ブラジルでは前任のルセフ前大統領も予算関連法に違反したとして弾劾(だんがい)に追い込まれ、副大統領だったテメル氏が昨年9月に大統領に就任していた。
しかしテメル大統領の支持率は1桁台に低迷。同大統領も就任から1年足らずで辞任に追い込まれかねないとの観測が高まり、市場も動揺している。