乗客が航空機エンジンに硬貨投げ入れ、5時間半の遅れ 中国
北京(CNN) 中国の上海浦東国際空港で27日、広州行きの中国南方航空機のエンジンに乗客が硬貨を投げ入れたことが判明し、安全確認のため出発が5時間半以上遅れる騒ぎがあった。
乗客の女性(80)は搭乗の際、エンジンに向かって硬貨を投げていたことが同乗者らの話で明らかになり、警察に連れて行かれた。警察の発表によると、この女性に犯罪歴や精神疾患はなく、安全な飛行を願って硬貨を投げたと話している。
現場からは9個の硬貨が見つかった。1個はエンジンの中に入り、残りは地面に落ちていたという。
同機には150人近い客が乗っていたが、全員がいったん降りて、整備スタッフが徹底的な点検を実施した。出発予定の午後0時40分を大幅に過ぎた同4時53分に点検が完了し、6時16分になって離陸した。目的地にも5時間以上遅れて到着した。
警察が公開した写真に写っている硬貨は総額1.7元(約28円)分だが、地元メディアは点検や遅延による損失が数十万円に上った可能性を指摘している。
この騒動についてのニュースは中国全土に拡散した。中国では悪天候や空の交通量の多さ、軍事演習などによるフライトの遅延が絶えず、特に同空港は定時運航率が低いことで知られる。遅延についての情報提供が不十分との苦情も多いが、少なくともこの一件の原因は周知の事実となったようだ。