カタール、「断交」による損害の賠償請求へ 特別委を設置
香港(CNNMoney) カタール政府は9日、サウジアラビアなど中東の近隣国から国交断絶を通告された問題で、国内の個人や企業が断交で被った損害の賠償を請求できるようにする計画を発表した。特別委員会を設置し、請求の実現を法的に後押しするという。
カタール法務省はツイッターで、カタールの法律家がきちんとした法的手続きにのっとって国を守ってくれることを「確信している」と明言。「適正な法的措置を講じ、カタールを虐げる者たちを追い込む」考えを示した。
カタールとの断交に踏み切ったのはサウジ、エジプト、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンの4カ国。今年6月初旬、カタールがテロに資金援助し、中東地域を不安定化させているとして国交断絶や陸海空における交通遮断などを発表していた。カタールはテロ支援などを否定している。
カタール側が「経済封鎖」と呼ぶ今回の断交は、国内の複数の企業に大きな打撃を与えた。損害を被った個人は数千人に上るとみられる。
カタールをめぐる地域の緊張に対処するべく、10日には米国のティラーソン国務長官が調停役として活動するクウェートを訪問。解決策について話し合う予定だ。
外交面の圧力が強まる中、カタール政府は自国経済のテコ入れの一環として、主要資源と位置付ける天然ガスの生産量を20%拡大するとしている。