パキスタンのシャリフ首相、最高裁が「不適格」 パナマ文書が発端
イスラマバード(CNN) パキスタンの最高裁判所は28日午後、シャリフ首相一家の国外資産に関する疑惑で、首相が議会や司法システムに対して不誠実だとして、首相職に不適格だとの判断を下した。シャリフ首相は退陣を迫られる形になりそうだ。
調査を進めていた裁判官5人全員が一致した判断を示した。最高裁の調査委員会はシャリフ首相の子ども3人の海外の口座や資産とシャリフ首相のつながりを調べていた。
こうした資産は首相一家の資産報告に記載されていなかった。しかし、2016年4月に世界各国の政治家や著名人らが絡むタックスヘイブン(租税回避地)の実態を示した通称「パナマ文書」が公表されると、その存在が明らかとなった。
パナマ文書にはシャリフ氏自身の氏名はない。だが、最高裁は今年4月に合同調査委員会を設置。7月中旬には、首相とその家族の汚職犯罪を示す文書が明らかとなったとの結論を示していた。
パナマ文書の暴露で国内では大規模な抗議運動が発生、野党指導者から調査を求める声が上がっていた。
パキスタンで司法手続きで首相が不適格との判断を受けたのは初めて。