英で難病の赤ちゃんが死亡、延命措置止める
(CNN) 先天性の難病によりロンドン市内の病院で延命措置を受けていたチャーリー・ガードちゃんが28日、生命維持装置を外されて亡くなった。1歳の誕生日を1週間後に控えての死だった。チャーリーちゃんの治療や延命には世界的な注目が集まっていた。
母親のコニー・イエーツさんは声明で、「私たちのかわいい息子が亡くなった。彼のことを本当に誇りに思う」と述べた。また、チャーリーちゃんの治療を巡って両親と法廷で争っていた入院先の病院は、チャーリーちゃんの死を受け両親らに哀悼の意を示した。
チャーリーちゃんは昨年8月4日に誕生。10月に入り両親がチャーリーちゃんの衰弱に気付き、ロンドン市内のグレート・オーモンド・ストリート病院を受診した。筋肉の衰えや運動能力の喪失を引き起こす先天性の難病「ミトコンドリアDNA枯渇症候群」と診断され、病状は進行。手足の動作や呼吸能力の喪失、発作に襲われ、人工呼吸器の装着を受けた。
イエーツさんと父親のクリス・ガードさんはその後、チャーリーちゃんの治療法について独自に調査を開始。筋疾患を専門とする米コロンビア大学医療センターのミチオ・ヒラノ医師がヌクレオシド・バイパス療法と呼ばれる実験的な治療の研究を行っていることを知った。同医師もチャーリーちゃんを治療する意思を示していた。
この治療法はこれまで、より症状の軽い患者数人に適用されただけだったが、両親は米国での治療を目指して今年1月末にインターネットで資金募集を開始。3カ月で130万ポンド(約1億9000万円)を集めた。