ベネズエラ制憲議会選挙、デモ隊と警官隊の衝突で7人死亡
投票前日の29日には、候補者だった弁護士のホセ・フェリックス・ピネダ氏が、ボリバル州の自宅に押し入った集団に撃たれて死亡。30日には野党指導者のリカルド・カンポス氏が死亡した。両事件とも、州の検察が捜査しているが、カンポス氏が死亡した状況については明らかにしていない。
政府によると、投票は現地時間の午前6時から始まり、約38万人の兵士らが各投票所に配備された。投票に訪れた人の多くは政府の構想への支持票を投じた。
現在の国民議会は、野党が167議席中の112議席を確保して主導権を握っている。
これに対して制憲議会の議員に立候補している545人は全員がマドゥロ政権に指名された候補者で、大統領の妻や、外相、副大統領などの経験者が含まれる。
一方、野党側は選挙の正当性を認めない立場から、候補者の擁立を見送った。投票の結果、制憲議会が創設されれば、大統領が絶大な権限を握ることになる。
米国のトランプ大統領は先に発表した声明で、マドゥロ大統領について「独裁者になることを夢見ている」と非難、ベネズエラの政府関係者など13人に対する制裁を発表した。
メキシコ、コロンビア、パナマも同様の制裁を発表。アルゼンチンとメキシコは今回の投票結果を承認しないと表明した。米州機構は違法な投票と位置付け、カナダも制憲議会創設を目指すベネズエラ政府を非難した。
トランプ大統領は、投票後、マドゥロ大統領に対する「強硬な経済措置を即座に講じる」と予告している。