中国人民解放軍90周年 習主席、党への忠誠求める
香港(CNN) 中国の習近平(シーチンピン)国家主席は1日、人民解放軍(PLA)創設90周年に当たり北京の人民大会堂で演説した。今秋の中国共産党大会での指導部再編をにらみ、軍に対する党の統制を強調した。
習氏はこの中で、軍は「党の絶対的な指導を推進し、実行しなければならない」と言明。「毛沢東同志がかつて指摘したように、軍が党を指揮するのではなく、党が軍を指揮するというのが我々の原則だ」と述べた。
今回の演説は軍の腐敗撲滅など、主に政治的な問題に焦点を当てたものだったが、習氏はPLAの海外での役割が増大していることにも言及。「人民軍は強力な戦闘能力を持った軍隊だ」とし、軍は「いかなる勢力に対しても中国の領土を一片たりとも分離させない」と強調した。
中国では先月30日、北部国境に近い内モンゴルの基地で大規模な軍事パレードが行われ、軍要員1万2000人や航空機100機以上が参加していた。
専門家らは、共産党大会を11月前後に控えるなか、習氏がPLA創設90周年を利用して自身の権威確立を図っているとの見方を示す。共産党大会では、中国最高指導部である政治局常務委員会の次の顔ぶれが明らかにされる見通し。
64歳の習氏は共産党大会で、国家主席としてもう5年の任期を与えられるのがほぼ確実だ。ただ、習氏には2期満了後の指導者の引退という慣例を破る狙いがあるとも取り沙汰されている。