国連安保理、対北朝鮮追加制裁を検討 輸出禁止など
国連(CNN) 北朝鮮が先月大陸間弾道ミサイル(ICBM)を2度発射したことを受け、国連安全保障理事会が同国に対して弾道ミサイル発射の継続と従来の決議への違反で新たな制裁案を検討していることが5日までに分かった。
複数の外交官によると、決議案の採決は早ければ5日にも行われる可能性がある。ただ、4日午後の時点で具体的な日程は設定されていないという。
決議案は最近のミサイル実験を非難する内容で、4日に安保理理事国の全15カ国に配布された。安保理に参加するある外交官によると、海産物や石炭、鉛、鉛鉱、鉄鉱石の輸出を禁止する項目も盛り込まれているという。
同外交官は、北朝鮮の輸出額は30億ドル(約3320億円)規模だと指摘。今回の制裁が採択されれば、この3分の1が削減される見込みだとしている。削減の推定額は石炭で2億5100万ドル、海産物で推計2億9500万ドル相当となる。
制裁決議案はまた、国連加盟国が北朝鮮の海外労働者を新たに雇用することも禁止する。海外労働者からの資金徴収を通じた北朝鮮の外貨獲得を阻止したい狙いだ。さらに、北朝鮮との共同事業や、既存の共同事業への新たな投資をやめるよう求める内容も盛り込まれている。
北朝鮮への石油禁輸は今回の決議案には盛り込まれていない。
同外交官は、拒否権を持つロシアと中国が決議案を支持することに「強い自信」を示した。北朝鮮がICBMの発射実験を行ったことを受け、中国も不満を示しているという。