宗教指導者に20年の実刑、抗議の暴動再燃の恐れ インド
ニューデリー(CNN) インド中央捜査局は28日、信者2人に対する強姦罪で起訴された宗教指導者が、禁錮20年の実刑判決を言い渡されたと発表した。北部ハリヤナ州などでは有罪判決に抗議する支持者が暴徒化して多数の死傷者が出ており、治安当局が警戒を続けている。
実刑判決を受けたのは新興宗教「デラ・サチャ・サウダ」の指導者グルミート・ラム・ラヒム・シン被告。1999年に信者2人を強姦した罪に問われ、それぞれの事件について禁錮10年を言い渡された。
判決の言い渡しは25日に刑務所内で行われた。裁判所前に支持者が集まる事態を避けるため、当局は同日、北部の都市パンチクラの裁判所からヘリコプターで刑務所にシン被告を移送していた。
有罪判決に抗議する25日のデモは北部の複数の州に広がり、暴徒化した支持者らが列車の車両や車に放火するなどして少なくとも36人が死亡、数百人が負傷した。
シン被告は映画や音楽ビデオに出演するなど派手なライフスタイルで知られ、大勢の熱烈な信者に支持されていた。これまでのところ新たな衝突は起きていないものの、パンジャブ、ハリヤナの両州では29日までインターネットやSMSの一部サービスが停止され、警察や軍は30日まで厳重な警戒を続ける方針。
デラ・サチャ・サウダはインドの10州に僧院をもち、世界で数百万人の信者がいるとされる。捜査当局は2002年からシン被告に対する捜査に乗り出し、07年に正式に訴追した。同被告は殺人事件に関連した捜査の対象にもなっている。