昏倒し意識失った男性介抱せず有罪、無視した3人 独
(CNN) ドイツ西部エッセンボルベックの地方裁判所は22日までに、地元の銀行の入り口通路で昏倒(こんとう)し意識不明となった83歳男性の介抱を怠ったとして計3人に有罪判決を言い渡した。
ドイツの「よきサマリア人法」に違反したとし、果たすべき責務を行わず男性を助けなかったとの判決理由を述べた。同法は、緊急事態などに善意に対処した人間はその結果に対して責任を負わされないなどとしている。3人には2900~4300米ドル(約32万5000~約48万2000円)の罰金も科された。被告の身元は明らかにされなかった。
83歳男性の昏倒は昨年10月、ドイツ銀行支店のロビー付近で起きていたもので、その1週間後に死去していた。被告の3人は当時、現金自動出入機(ATM)を使うため来店しており、床上に横たわる男性をまたいだり、そばを通過などしていたという。「男性はホームレスで寝ていたと思い込んでいた」などと主張していた。
法廷での審理には現場の監視映像も提出され、昏倒した男性やその姿に注意を払わない被告らの姿が確認された。
「よきサマリア人法」に似た法律はデンマークやフランスにもある。米国の多くの州にはなく、他人を助けるなどの法的義務は存在していないとの裁判所の一貫とした判断がその理由となっている。