ロヒンギャ難民80万人の窮状、テロ拡大の恐れも 国連高官
(CNN) ミャンマー西部ラカイン州の衝突で少数派のイスラム教徒ロヒンギャが隣国バングラデシュへ避難している問題について、フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は27日、難民たちは支援を必要とする切実な状況に追い込まれていると述べ、ミャンマー政府に対して改めて暴力を停止するよう求めた。
バングラデシュ視察から戻ったグランディ氏は、これほど何も持たずに避難してきた難民はほとんど見たことがないと述べ、「非常に差し迫った状況の中で、全く予期していなかった暴力からの避難を強いられたことは明らか」だと指摘、ロヒンギャ難民はあらゆる支援を必要としていると訴えた。
バングラデシュの支援団体のまとめによると、8月25日に衝突が始まって以来、これまでにバングラデシュへ避難したロヒンギャは、少なくとも48万人に上る。
それ以前にバングラデシュに避難していたロヒンギャを含めると70万~80万人に達し、難民キャンプは満員状態で衛生状態が悪化、感染症のリスクも高まっている。
ロヒンギャの問題が解決されなければ、差別や貧困から生まれるテロの暴力が地域全体に拡大する恐れもあるとグランディ氏は警告。来週スイスのジュネーブで開く会合で、ミャンマーがロヒンギャの国籍を認めていない問題などについてミャンマーの当局者と話し合う意向を示した。
難民キャンプに身を寄せる女性や子どもが負った心の傷も大きい。女性たちはレイプや暴行の被害に遭い、子どもたちは家族や友人が目の前で殺害される場面を目の当たりにしている。