バヌアツとバリ島で火山噴火の恐れ、全島避難の島も
(CNN) 南太平洋の島国バヌアツのアンバエ島で火山が噴火する恐れが高まり、29日までに全島の住民が避難した。インドネシアのバリ島でも火山噴火の兆候が確認され、13万4000人あまりが避難している。
両火山とも、地震活動が集中する環太平洋火山帯にある。しかし米スミソニアン研究所の専門家によると、同時に噴火の兆候を示しているのは単なる偶然だという。
アンバエ島の大規模避難は2005年以来。約1万1000人の住民の大部分は船で避難し、一部は別の島にある避難所へ航空機で搬送された。
ニュージーランド国防軍によると、27日に実施した上空からの調査で、アンバエ島の火山の河口付近から巨大な噴煙が立ち上り、火山岩が噴き出している様子が確認された。
バヌアツ気象当局は、アンバエ火山が中規模の噴火状態にあるとして、警戒レベルを5段階で上から2番目に高いレベルに引き上げた。現地では飛んでくる岩石や火山ガス、酸性雨の危険にさらされる恐れがあるとしている。
バヌアツ政府は28日、オーストラリアが食料や避難所の提供といった支援要請に応えたと発表。アンバエ島と隣接するアンブリム島の火山を上空から調査するための資金も提供するとしている。