ISIS最高指導者肉声か、11カ月ぶりに公開 死亡説覆す
(CNN) 過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の最高指導者、アブバクル・バグダディ容疑者の肉声とされるメッセージが公開された。同容疑者の肉声とされる音声が公開されるのは11カ月ぶり。この中でバグダディ容疑者は、米国をあざけるとともに、シリアのアサド政権への抵抗を呼びかけ、ISISが存続していると主張した。
米国家情報長官(DNI)の報道官はCNNに対し「バグダディ容疑者のものとされる音声テープの存在は承知しており、調査のための手順を踏んでいるところだ。本物であることを疑う理由はないものの、現時点では確証は得られていない」と述べた。
このメッセージは比較的最近、録音されたと見られる。なぜなら日本と米国に対する北朝鮮の核の脅威や、シリアでの和平交渉について触れられているからだ。
今回のメッセージは、バグダディ容疑者死亡説を覆すために出されたと見られる。ロシア軍は5月28日、シリアのラッカ近郊を空爆して同容疑者をほぼ確実に殺害したと主張していた。米当局者はバグダディ容疑者について、ユーフラテス川中流域に潜伏しているのではないかとの見方を示している。
そこはシリアとイラクの国境にまたがる地域で、今年に入ってISIS幹部の多くが移動してきたと考えられている。
46分間のメッセージの中で、バグダディ容疑者は戦闘員たちに忍耐を求め、イラク北部の要衝モスルやラッカなどでの犠牲が無駄ではなかったことを「輝く剣をぶつけ合い、汚れた血を流す」ことで示すよう呼びかけた。