米、キューバ外交官15人に退去命令
(CNN) 米政府は3日、在キューバ米大使館の職員が「音響攻撃」を受けたとされる問題に関連して、キューバの外交官15人に対して1週間以内に国外へ退去するよう命じた。国務省当局者が明らかにした。
これに先立ち米政府は、必要最低限の人員を除く在キューバ米大使館の職員や家族に帰国を指示していた。
キューバのロドリゲス・パリジャ外相は外交官の退去命令に強く反発し、首都ハバナで行った記者会見で「キューバは外交官やその家族に対して攻撃を行ったことも、行うこともない」と強調した。
この問題では、米国の外交官やその家族が突然の不快な音響にさらされて嘔吐(おうと)や目まい、頭痛などの症状を訴え、少なくとも22人に聴覚障害や視覚障害、認知障害などの健康被害が出ている。
カナダもハバナに駐在する外交官やその家族が同様の健康被害を訴えており、大使館員が狙われた可能性について調査している。
キューバ政府は事件への一切の関与を否定、米連邦捜査局(FBI)捜査員の入国も認めた。
米政府高官によると、FBIのこれまでの捜査では、米外交官の自宅や滞在先のホテルからは不審な装置は見つかっていない。攻撃の背後関係や使われた装置などについては、今も捜査が続いているという。
ロドリゲス・パリジャ外相は3日の会見で、キューバ当局のこれまでの捜査では、攻撃が起きた痕跡は見つからなかったと説明。米政府に対し、被害に遭ったという米国の外交官や治療に当たった医師に面会させるよう求めた。被害を訴えている米外交官の自宅をキューバの捜査員が捜査することも認められなかったと苦言を呈している。