米科学者3氏にノーベル医学賞、体内時計の研究で
(CNN) スウェーデンのカロリンスカ医科大は2日、今年のノーベル医学生理学賞を、体内時計の仕組みを解明した米国の科学者3人に授与すると発表した。
受賞者は米ブランダイス大学のジェフリー・ホール名誉教授とマイケル・ロスバッシュ教授、ロックフェラー大学のマイケル・ヤング教授。人間やほかの動物、植物が昼夜のサイクルに対応する「概日リズム」、いわゆる体内時計を分子レベルで研究した。
ショウジョウバエを使った実験で、生体リズムの調節にかかわる遺伝子を発見。この遺伝子の情報によって作られるたんぱく質が細胞内で夜間に蓄積し、昼間は分解されることを突き止めた。
1970年代に別のチームが発表したショウジョウバエの研究で、ある領域の遺伝子が突然変異を起こすと体内時計が乱れることが指摘されていた。3氏はこの研究を発展させて遺伝子を特定し、さらにこの遺伝子が作るたんぱく質と、もう一つの遺伝子が作る別のたんぱく質が作用し合って体内時計のリズムを生み出すという仕組みを解明した。
ノーベル賞委員会によると、人間の体内時計と外部の環境に食い違いが生じると、時差ボケにみられるような体調の変化が起きる。リズムに合わない生活は糖尿病やがん、アルツハイマー病などのリスク増大につながる恐れがあるという。