横須賀配属の米ミサイル巡洋艦、目立つ士気低下 艦内調査
(CNN) 神奈川県横須賀市の米海軍基地を母港とする巡航ミサイル巡洋艦「シャイロー」の艦内の士気が低く、乗組員が「浮かぶ刑務所」とまで酷評していたことが12日までにわかった。
同艦の指揮系統に対する乗組員の意識調査で判明した。調査結果は米国の情報公開法を通じて公になったもので、米海軍機関紙「ネイビー・タイムズ」などが調査3件の結果を入手し、報じた。同艦勤務の兵士らが匿名で寄せた数百ページに達する回答内容が盛り込まれている。
米海軍当局者2人はCNNの取材に同紙の報道内容の正しさを確認した。同紙によると、シャイロー艦長ら同艦の上層部は兵士を公正に扱うことへの信頼を示したのは31%。前艦長時代の63%から激減していた。
また、任務遂行に全力を尽くす意欲を感じるとしたのは37%で、これも69%から急減していた。
士気の低さはアダム・エイコック艦長(大佐)時代のもので、米海軍当局者は同大佐の指揮系統の維持の仕方は説明出来ないとした。調査を3回実施したのは大佐に指導力向上を促す狙いだった。
調査結果では、シャイローでは営倉に入れられ、「パンと水」しか与えられないなどの厳罰に対する下位兵士間の懸念が強かったこともわかった。
同大佐は2015年6月~17年8月に艦長を務め、その後、米海軍大学に転任した。シャイローが所属する米海軍第7艦隊では最近、イージス駆逐艦の衝突が相次いだ。この後、関係将校らの処罰が続き、ジョセフ・アーコイン艦隊司令官(中将)の解任にもつながった。
シャイローでは今年6月、艦内で行方不明になり、海に落ち死亡したと判断されていた兵士の船内での生存が判明する騒ぎもあった。